CHARIS MAGAZINE 第3号の記事

希望は欺くことはない
ラニエロ・カンタラメッサ神父、カリス補佐司祭

3月11日水曜日にビデオを通じて配信された一般謁見の中で、教皇様はコロナウイルス危機に言及し、全世界の信徒に向けて、この事態に「力強さと責任と希望」をもって対処するように励まされました。これら三つの項目のそれぞれの意義を考えてみましょう。

《力強さ》 あたかも今日の私たちに向けられているかのように、特別な試練に際して、神が御民に発せられることばに耳を傾けましょう。「武力によらず、権力によらず、ただわが霊によって、と主は言われる」(ゼカリア書4・6)。これは、あらゆる人間的な資源を利用し、予防策を実行に移すことから私たちを遠ざけるものではなく、むしろ、私たちの苦闘にあって私たちが孤立していないことを確信させます。神は、私たちが試練のうちにあるときほどに、エンマヌエル、すなわち「わたしたちと共におられる神」であることはありません。そのような瞬間においてこそ、嵐の中での使徒たちのように、イエスに向かって、「主よ、わたしたちが溺れてしまっても、かまわないのですか」と叫びを上げましょう。主は御自分の介入が同時に、御自分の恵みと私たちの信仰との結実となるように、私たちの叫びを待ち受けておられるのです。

《責任》 自分自身のことだけ考え、場合によっては他者を犠牲にしてまで身を守ることを考えないようにしましょう。私たちの行動あるいはおこたりの一つがもたらすかもしれない結果を考えましょう。このような状況は、私たちが一つの家族であり、「互いに体の一部」であることを想起させる独特な機会を私たちに提供しています。真の船長は、自分の責任のもとにあるすべての人々が救助されるまで船を放棄しません。これはまた、多くの医師や介護者たちがきわめて素晴らしい仕方で示してきた滅私の態度です。そしてこれは、他の何にもまして、「私たちすべてのためにご自身を死に至るまで明け渡された」私たちの救い主によって例証された姿です。

《希望》 私たちが刷新の民として兄弟姉妹に提示できる最もうるわしい貢献は、まさにこれです。対神徳としての希望を生き生きと保つことです。そしてこの希望は「わたしたちを欺くことはありません。わたしたちに与えられた聖霊によって、神の愛がわたしたちの心に注がれているからです。」(ローマ5・5)。カリスの代表と国際コムニオ奉仕会全員の名において、その補佐司祭である私は、使徒パウロがローマの信徒に向けて述べた願いを、カトリック・カリスマ刷新のすべての兄弟姉妹に向けて述べさせていただきます。
「希望の源である神が、信仰によって得られるあらゆる喜びと平和とであなたがたを満たし、聖霊の力によって希望に満ちあふれさせてくださいますように」(ローマ15・13)。

英語原文のリンク先

翻訳:カトリック聖霊による刷新 全国コムニオ奉仕会

2020年03月29日